離婚関連

離婚協議書作成

離婚協議書作成の目的は、離婚後のトラブル防止です。

主な目的は、次のとおりです。

 

  • 約束違反(契約不履行)の防止
  • 齟齬(食い違い)の防止
  • 契約不備の防止

主に親権、面会交流に関する合意内容、離婚給付(養育費、慰謝料、財産分与)に関する合意内容を定めておきます。

 

離婚協議書を作成するタイミングは、離婚後のトラブルを防止するため、原則は、離婚届を提出する前です。

 

但し、例外的に離婚届の提出を優先した方が良い場合があります。 その例を挙げます。

 

  • 協議離婚の成立が危うい場合
  • 協議離婚に伴う請求(慰謝料、財産分与等)がない場合
  • 優先すべき事情のある場合


離婚協議書作成

公正証書とは、法務大臣から任命された公証役場の公証人が法律(公証人法)に沿い作成する契約書のことです。

 

公正証書の種類は多岐にわたりますが、

協議離婚に伴う公正証書を一般的に離婚公正証書と呼びます。

 

正確な名称は、離婚給付契約公正証書、又は離婚給付等契約公正証書といいます。

主に親権、面会交流に関する合意内容、離婚給付(養育費、慰謝料、財産分与)に関する合意内容を定めておきます。離婚公正証書作成の手続きは、全国に点在する公証役場にて実施致します。

 

メリット1 

約束違反の防止 離婚協議書と共通するメリットです。離婚の際の約束を守らせるため、契約書の存在が重要です。

口約束は、トラブルを招く可能性が極めて高いです。特に離婚の際の合意は、人生を左右しかねない非常に重要な約束のため、離婚公正証書の作成が欠かせません。

 

メリット2 

齟齬の防止 この点も、離婚協議書と共通するメリットです。夫婦間の話し合いにより、円満に離婚条件を決められたとしても、お互いの認識が異なりますとトラブルを招きます。 離婚公正証書の存在が、齟齬(食い違い)の防止に役立ちます。

 

メリット3 

不備・見落としの防止 この点も、離婚協議書と共通するメリットです。約束の内容を書面化することにより、契約の不備、見落としの発見が容易になります。 つまり、離婚公正証書の存在が、チェックシートの役割を果たします。

 

メリット4 

真正の証明 離婚公正証書のメリットです。離婚公正証書の原本が公証役場に保管されるため、偽造を疑われる心配がありません。

 

メリット5 

強制執行 離婚公正証書の最大のメリットです。債権者の方は、債務者の会社の給料、銀行口座等の差押えが可能になります。



内容証明郵便作成

内容証明郵便は、郵便物を日本郵便株式会社が保管する特殊取扱制度の一つです。

 

同じ郵便物を3部作成し、1部を受取人に差出し、残り2部を差出人と郵便局が保管致します。これにより、差出した文書の内容を証明することができます。重要な内容の郵便物に用いられます。

 

ポイント1 簡潔に書く 内容証明郵便は、簡潔に書くことをお勧め致します。長々と書くことにより、散漫な印象を与えてしまうことがあります。また、内容証明郵便は、後々まで残りますので、余計なことを書いて失敗するケースもあります。

ポイント2 誤字・修正を無くす 内容証明郵便は、1行20字以内、1枚26行以内、その他文字制限等があり、その決まりの中で作成しなくてはいけません。誤字や修正の多い内容証明郵便を見掛けることがありますが、内容証明郵便の効果半減になります。内容証明郵便作成の目的の一つは、相手方にプレッシャーを与えることです。相手方に軽んじられないためにも綺麗に作成してください。

ポイント3 専門家に依頼する 「餅は、餅屋」ということです。内容証明郵便作成を検討する場面というのは、重要な局面のはずです。リスクを減らすためにも、行政書士や弁護士等の専門家に依頼されることをお勧め致します。



調停申立書作成

家庭裁判所が実施する調停は、家庭内のトラブル解決を目的としており、家事調停といいます。家庭裁判所の調停委員を仲介役にして、当事者の合意を成立させるための手続きです。家庭裁判所の扱う調停の一部をご紹介致します。

 

1.夫婦関係全般に関する調停

■ 離婚調停・・・婚姻関係の解消(離婚)を目的とした調停

■ 内縁関係調整調停・・・内縁関係の解消を目的とした調停

■ 円満調停・・・婚姻関係の修復を目的とした調停

■ 離婚後の紛争調停・・・離婚後の紛争解決を目的とした調停

 

2.お金の請求に関する調停

■ 婚姻費用分担請求調停・・・婚姻費用(別居中の生活費)の請求を目的とした調停

■ 養育費請求調停・・・養育費の請求を目的とした調停

■ 財産分与請求調停・・・財産分与の請求を目的とした調停

■ 慰謝料請求調停・・・慰謝料の請求を目的とした調停

 

3.子に関する調停

■ 親権者変更調停・・・親権者の変更を目的とした調停

■ 面会交流調停・・・子との面会、交流を目的とした調停

■ 子の監護者指定の調停・・・子の監護者の指定を目的とした調停

■ 子の引渡し調停・・・子の引渡しを目的とした調停



財産分与の名義変更登記

婚姻中の夫婦の財産を清算することを財産分与と言います。

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を、離婚する際に清算して一方に分与(分ける)ことをいいます。

たとえば、婚姻中に購入した不動産が夫名義になっていたとしても、それは妻の協力・貢献があって購入、維持できたものである以上、離婚する際に、妻に財産分与することができます。

 

 

財産分与の対象が不動産である場合には、名義変更の登記をしなければ確定的に所有権を取得したとは言えませんので、後日の紛争を避けるためにも速やかに登記することをおすすめします。

 

財産分与については、以下の点にご留意ください

1.財産分与の請求は離婚後2年以内に

 

財産分与の他、親権や養育費、慰謝料等の合意内容については、公正証書により離婚協議書を作成しておくことをおすすめします。

公正証書にしておくことで、万が一養育費等の支払いが期限内にされないような場合に

 

2.不動産の財産分与では、次のような税金がかかる場合が

 

分与する方には譲渡所得税が課税される場合があります。(購入した時の価格より財産分与した時の価格が高い場合)ただし、居住用の不動産の場合には3,000万円の特別控除が適用されます。

分与を受ける方には通常、贈与税がかかることはありませんが、分与を受ける額が過大すぎる場合や、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合には課税されることがあります。

また、不動産取得税も通常、課税されることはありませんが、扶養的な意味での財産分与や、慰謝料的意味の財産分与と認められる場合には課税されることがあります。

税金に関する詳細は、税理士にお問合せ下さい。その際、税理士は紹介させていただきます。

3.財産分与する方の住所が変更になっている場合、別途住所変更の登記が必要

 

住宅ローン付不動産の財産分与

 

住宅ローンが残っている不動産を財産分与する場合は、繰り上げ返済するか、金融機関の承諾を得て債務者(ローンの借り主)を変更する等の手続きが必要になります。事前に金融機関に相談したほうが良いでしょう。

もし、すぐに金融機関の承諾が得られない場合は、少なくとも「将来、住宅ローンが完済等された場合には、財産分与による名義変更する。」旨の条項のある公正証書を作っておくことをお勧めします。